「記憶の構造」について~その1

こんにちは、上条です。
催眠やセラピーでは、「記憶」を使います。
使うのは、被験者の記憶と術者の記憶です。特に被験者の記憶は重要です。
人間の個性は遺伝と環境によって決まると言いますが、自分が今まで育ってきた環境をイメージ
記憶して貯蔵してあるものが記憶だからです。
ですから、記憶喪失になると、人間は性格ががらりと変わってしまいます。
それは、考えてみれば当然のことです。
例えば、他人を信頼できるという考えは、今まで他人から酷いことをされず、信頼に足る他人に
囲まれて育ったという経験の記憶から生まれます。
これが、小さいときから周囲の人間に苛められ続ければ、人を信頼できない性格になってしまう
ことでしょう。
記憶喪失になると、実際にそうなります。
つまり、自分の現在の生き方や性格は、記憶を書き換えることによって、全く変わってしまいま
す。
しかし実際には、記憶喪失は記憶が消えているわけではありません。記憶喪失が直ると、記憶は
元に戻りますから。
催眠においても当然記憶を消しているわけではなく、記憶を再構成してアクセスできる状態をで
きなくさせているだけなのです。
「再構成」という言葉にひっかかった方もいるかと思うので、説明をしておきましょう。
例えば今Aさんを見ているとして、Aさんの姿を、どこもぼやけずに見ることができます。
でもこれは考えてみれば実は不思議なことで、カメラの焦点を合わせたところはぼやけませんが、
周囲の離れたところはぼやけるのが普通です。
しかし人間はぼやけずに見ることができます。
これは、人間がものを見るときに、焦点を瞬時にあちこち移動させて、
それで焦点が合った何枚もの静止画をうまく再合成した映像として見ているからです。
また、首をさっと左から右に移動させたとき、映像はブレません。なぜでしょう。カメラならば、
ブレますね。
これは、脳が、ブレた映像を捨てて、、ブレていない映像だけを切り張りしてつなげて再構成し
ています。
このように、人間が意識で見ているものは、脳で編集され、再構成されたものということになり
ます。
このような脳の驚くべき仕組みが、今最先端の科学で研究されています。

主催 :日本催眠術倶楽部
講師 :日本催眠術倶楽部公認講師 上条豊
メール: tamura@j-002.net

2013,09,11 水曜日 03:18 PM